バレットジャーナルと鬱
Bullet Journal、もしくはバレットジャーナル(箇条書き日記)を聞いたことがあるだろうか?
サーチエンジンで画像検索すると色々出てくるし、色々説明しているブログ等もあるので、知ることは簡単にできる。
簡単に言うと、ToDoリストと日記が合体したようなもの。
細かい解説は、考案者のYouTube動画を見るのが早いだろう。
英語だが、日本語字幕を設定可能だ。
私がバレットジャーナルを知ったのは、ずいぶん前でGIGAZINEというサイトを見ていた時だった。
まだ記事が残っていた。
2014年9月の記事だ。
このブログで伝えたいのは、どうやってバレットジャーナルを作るか使うか、ということではない。
私は、ブログタイトルの通り、トンネル人生である。うつ病と付き合いながら生きてきた。
つまり、うつ病の私が、バレットジャーナルを使ってみたら、どうなったか。
そういう話なのだ。
うつ病患者に共通項に、「やる気」の喪失があるようだ。
脳内物質のなんとかいう物質(また後日これについて語ろうと思う)の不足で、やる気、気力が減退する。食欲や、睡眠欲など、色んなものにも影響する。ただ、ただ、眠り続けたり、ネットサーフィンし続けたりする状態が続いたりする。
それ故に「怠けている」と思う人もいるのは残念なことだが、端的に言うと体に命令を出す司令塔である脳が正常に働いていない、そういう状態だ。
さて、脳が正常に機能していないため、「やる気」が出ない。
しかし、もし刺激を脳に与えることによって少しでも機能するとしたら、どうだろう。
ここからは、あくまで私の実体験なので、全てのうつ患者に効くわけでない。
ーこれは個人の感想であり、商品の効能を確約するものではありません。(ダイエット用品の通販番組風に)
(ちなみにこれらの画像は私のInstagramアカウントから)
バレットジャーナルがうつ病の私に有用だった点。
- やること(To Do)をなんでも書ける
- 日付が決まっていないやることを一覧で見られる
- もしやらなくても、未来にずらせる
まず、1つめ。
やることをなんでも書ける。バレットジャーナルで使うのはノートである。こういうノートがいい、というアドバイスもあるが、実際のところノートならなんでもいい。
そして、自分でリストを作る。どのページに何を書くのか、ガイドラインはあるが何せただのノートだ。好き勝手できる。
例え、「やる気」の減退が起きているうつ病患者でも日々やることはある。例え、無職であってもだ。
日常的な起床、身支度、食事、歯磨き、、、、そういうことを「やること」に書いてもいいのだ。
基本的なことだが、それすらも苦痛に感じたり、億劫に感じている人がもしノートにこれらの「やること」を書き連ね、それが出来たならチェックやレ点を付ける。
するとどうだろう。すごく簡単なことだが、達成感を得られる。
自分で自分を褒められるのだ。
これは、少しだが着実にモチベーションになっていく。
2つめ。
バレットジャーナルの解説動画やブログを見ると分かるのだが、日々のやることを書く前に「年間の予定、やること」「月間の予定、やること」を書くページを設けるように説明されている。
これの素晴らしいところは、普通のスケジュール帳と違い、「日付は決まっていないが、今年中今月中にやっておきたい」という曖昧なやることを書き出せることにある。
本当に些細なことでいい。私の2014年のバレットジャーナルを見ると「いらない本を売る」「部屋の掃除」「布団を干す」「勉強」てな具合だ。
これらのいつかはやりたいことを書き出して置くことで「今日は少しやる気があるかもしれない」と思った時に、何をするべきかいちいち思い出すまでもなく、ノートを見れば良いのだ。
「何かをする気力が少し湧いたけれど、何をすればいいかネットサーフィンしたら思い出す気がしたので、ネットを読み漁っていたら1日終わってた」(実体験)
というのを防げる。
3つめは、予定を未来にずらせる。ということである。
ひとつの月が終わり、新しく次の月の予定とやることを書く段になったら過去のページを見返して、やらなかったことを書き写す。この時、「これは本当にやる必要のあることか」と考えることも出来る。
この予定、やることを未来にずらせるというのは、罪悪感の軽減に繋がる。
罪悪感や自己嫌悪でいっぱいになっている状態の人には、そういった点でおすすめなのだ。未来にずらせるものはずらしちゃっていいのだ。
私にとってバレットジャーナルは、抑鬱で記憶も曖昧な時に「やりたいこと」を思い出させてくれるとてもよいツールだった。
それもただ、ノートがあれば出来るのだ。
タスク管理ならスマホで出来ると思うかもしれない。
しかし、スマートフォンを触っている間というのは、思考を遮るものがたくさんある。メールやメッセージ、アプリの通知は集中を妨げる。
わずかなやる気と集中力を絞り出している私には、アナログが丁度よかった。
バレットジャーナルでうつが治った!とかそういう話ではない。
でも、少し生産的で建設的になれた。
これがトンネル人生の私のバレットジャーナル体験談だ。
追伸:
最近、またバレットジャーナルを再開した。
それについては、また今度話そう。
トンネル人生、のらりくらり。
誰かが、うつ病による抑鬱状態を「うつトンネル」と例えたらしい。
それを伝え聞いて、思ったのは、
「じゃあ、私はずっとトンネルの中だなぁ」
ということ。
トンネルには必ず出口がある、という言葉があるけれど、
どうも私のトンネルは海底トンネル、それか地の底にあるらしい。
そう、私はうつ病である。
8年ほど前に診断された。
誤解のないように言うと、うつ病は「脳の伝達物質の異常」である。
噛み砕いて言うと「脳の中の感情、やる気、元気、その他諸々のスイッチが正常に働かない状態」だ。
私はそう理解しているし、そういう風に周りにも説明している。
ただの「今日面倒臭いから何もしない」というものではないのだ。
一日限りのものでは決してない。
「うつ病」なんなのか、それはまた今度語りたいと思う。
ブログのスタートにいきなり持ってくるには、混みいったお話だ。
話は戻る。そう、言い得て妙なのだ。
「抑鬱状態はトンネルのようだ」
確かにそうだ。ひどく鬱屈とした気持ちはうつ病であっても、抜け出す瞬間はある。
それが、一時間後なのか、一週間後なのかは個人差、及びカウンセリングや投薬治療の差があるだろう。
しかし、私としては、抑鬱状態だけがうつ病ではなく、その他諸々の症状全部ひっくるめて、うつ病なのである。
そうすると、私にとってのトンネルは「頭のスイッチが馬鹿になっている状態が続くこと」なので、
つまり、私はずっとトンネルの中にいるのだ。
うつ病と診断されたのは先述の通り、8年前だ。しかし、自分の思考がおかしい(のちにそれが唯の考え方ではなく、脳の異常と気づくのだが)と気づいたのは、16歳の時であった。
そして、その時点で自分のおかしい状態は何年も続いていたのだ。
10歳になる前から、抑鬱状態と日々向き合ってきた。
これが、私のブログタイトルに繋がる。
私の人生、ほぼトンネル。
時々、光が差しこむことはあるが、出口は今の所見当たらない。
ここまで辛抱強く読んだ奇特ないらっしゃったら、これからどんな暗いブログが始まるんだろう、と思われるに違いない。
しかし!
タイトルの後半を見て欲しい。
「のらりくらり」
トンネルの中でも生活はできる。
日々の抑鬱状態から逃げるのでもなく、しかし、がっぷり四つで組み合うのでもなく、
のらりくらりと生きている、そんな私の日々の記録である。
うつ病は必ず治る!いや、治らない!
などという論争の外で、私は私の生活を営んでいる。
そんなぼんやりと、とぼけた感じのブログを、トンネルの中からお送りする。
どうぞ、以後お見知り置きを。